引っ越しのたびに、私は退去の精算書を見てモヤモヤしていました。
「ハウスクリーニング代 22,000円」「鍵交換代 16,500円」——。合計するとそれなりの金額なのに、これが本当に借りていた側が払うべきものなのかが、自分では判断できないのです。かといって、退去のたびに調べ直すのも大変で、結局「まあ、こういうものか」と払ってしまう。エンジニアとして「根拠が分からないまま支払う」のは、どうにも気持ちが悪い体験でした。
同じモヤモヤを抱える人は多いはずだと思い、退去まわりの不安をその場で確かめられる無料サービス 賃貸ライフを作りました。この記事で紹介させてください。
「原状回復費用、いくらが妥当なのか分からない」問題
退去時の費用負担には、実は国が定めた考え方の目安があります。国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」です。
ざっくり言うと、普通に住んでいて生じる劣化(経年劣化・通常損耗)は貸主負担、故意・過失による損傷は借主負担、というのが基本の整理。ただ、このガイドライン、量が多くて費目ごとに読み解くのが地味に大変なんです。「うちのこの請求はどっちなんだ?」に、すぐ答えてくれるものが欲しい——それがスタート地点でした。
まず試せるのは「敷金精算チェッカー」
賃貸ライフの入り口は、敷金精算チェッカーです。
精算書に書かれている費目名(「ハウスクリーニング」「クロス張替え」など)と金額を入れると、それぞれがガイドライン上どちら負担とされる例が多いかを、その場で色分けして表示します。金額を入れれば、貸主負担例・借主負担例・分かれるもの、で内訳バーも出ます。
大事なのは、これは「妥当かどうかを断定するツールではない」ということ。あくまで「一般的にはこう整理されることが多い」という目安を示すもので、最終判断は個別の事情によります。そこは正直に、断定的な表現は避ける設計にしています。
費目ごとの解説と、退去の流れガイドも
チェッカーで気になった費目は、費目別のページで詳しく読めます。エアコンクリーニング、鍵交換、タバコのヤニ、ペットによる汚損……といった「よく揉める費目」を一つずつ整理しました。
退去そのものの段取りに不安がある人向けには、敷金が返ってくるまでの流れや退去手続きのチェックリストといったガイドも用意しています。「解約予告はいつまで?」「立会いで何を見ればいい?」がひととおり分かるはずです。
契約前の人には、初期費用チェッカーもあります。見積書の「これ何のお金?」を費目ごとに確認できます。
個人開発として、ここは譲りませんでした
自作ツールとして、私がこだわった点が3つあります。
- 完全無料・広告なし。敷金で不安になっている人に広告を出すのは違うと思ったので、広告は入れていません。
- 入力内容はサーバーに送りません。チェッカーに入れた費目名・金額はすべてブラウザの中だけで処理されます。アクセス解析Cookieも使っていません。精算書の中身は、けっこう繊細な情報ですから。
- 断定しない。「必ず返ってくる」のような言い切りはしていません。公的資料に基づく一般的な考え方の提示にとどめ、個別のケースは相談窓口(消費生活センター #188 など)を案内しています。
アプリ版は近日公開予定です
いまはWebのツールが中心ですが、スマホアプリ版も準備しています。アプリでは、入居時・退去時の部屋の状態を改ざん検知つきの写真で記録したり、解約予告などの手続き期限をリマインドしたり、精算チェックを保存できるようにする予定です。データはすべて端末の中に暗号化して保存し、外部には送りません。
「入居時にどうだったか」を残しておけると、退去時の話し合いがぐっと楽になります。これは私自身が「撮っておけばよかった」と何度も後悔したポイントでした。
まとめ
退去のたびにモヤモヤしていた「この請求、妥当なの?」に、少しでも根拠を持って向き合えるように——という思いで作りました。
登録も不要で、費目を入れるだけで使えます。退去や引っ越しの予定がある方は、精算書を受け取る前に一度 賃貸ライフの敷金精算チェッカーを触ってみてください。少しでも不安が減れば嬉しいです。


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